夫の両親と叔母を毒キノコで殺害か オーストラリアで裁判
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【5月8日 AFP】オーストラリア・メルボルン南東のモーウェルの裁判所で7日、猛毒のタマゴテングタケ入りのビーフ・ウェリントン(牛肉のパイ包み焼き)を自宅で提供し、別居中の夫の両親と叔母に対する殺人罪と、叔父への殺人未遂罪で起訴された女の公判が行われた。治療に当たった医師は、被害者の一人が料理は「おいしかった」と語っていたと証言した。
エリン・パターソン被告(50)が2023年、ビクトリア州の農村にある自宅で昼食を提供したのは、別居中の夫の両親と、夫の叔母と叔父。
叔母のヘザー・ウィルキンソンさんと、叔父で牧師のイアン・ウィルキンソンさんは嘔吐(おうと)と下痢に苦しみ、病院に搬送された際、治療に当たった医師のクリストファー・ウェブスター氏がこの日、証言台に立った。
病院到着時、2人は「意識があり」、「明らかに体調が悪そうだったが、コミュニケーションを取ることはできた」と説明。
裁判では、被害者らが病院に搬送された前日にパターソン被告の自宅で1人ずつに用意されたビーフ・ウェリントンを昼食に取ったことが明らかにされた。
医師のウェブスター氏は、最初はビーフ・ウェリントンの肉による食中毒を疑ったとし、「ヘザーさんにビーフ・ウェリントンの味はどうだったかと聞いたところ、『おいしかった』と答えていた」と証言。
翌朝、パターソン被告の夫の両親、ドン・パターソンさんとゲイル・パターソンさんの治療に当たっていた別の病院の医師から電話があり、毒キノコによる中毒の疑いがあると伝えられたと説明した。
その後、イアン、ヘザー・ウィルキンソン夫妻は急性治療を受けるために転院した。
しかし、数日中にイアンさんを除き、3人が死亡。イアンさんは数週間入院し、一命を取り留めた。
裁判で明らかにされたところによると、別居中の夫サイモンさんも食事に招かれていたが、気が進まないとして断っていた。
パターソン被告は昼食会の2日後に受診したが、医師の勧告を無視して5分後に帰宅。
後に再び病院を訪れ、医師のウェブスター氏に自分の子どもたちもビーフ・ウェリントンを食べていたが、キノコやパイ生地は食べなかったと話したという。
裁判には、パターソン被告の義父母の息子で、義弟に当たるマシューさんも出廷した。
マシューさんは、パターソン被告にキノコの入手先を尋ねると、同被告は、一部は「中国人の店」で購入したが、どの店かは覚えていないと答えたと証言。
マシューさんは同被告について、献身的な母親で、自分の両親とも良好な関係を続けていると思っていたと述べた。
検察は、パターソン被告は昼食に招いた夫の家族を故意に毒殺し、自身や自分の子どもたちは毒キノコを食べないように注意を払っていたとしている。
パターソン被告は、すべての罪状について無罪を主張している。
弁護人は、「悲惨な事故」で、同被告も他の人々と同じ料理を食べていたが、同じように病気にならなかっただけだと訴えている。
公判は6週間続く予定。(c)AFP