【11月2日 AFP】オーストラリア警察は2日、キノコが入った料理を食べた3人が死亡し、1人が重症となった事件をめぐり、料理を提供した女を逮捕したと明らかにした。

 逮捕されたのは、エリン・パターソン(Erin Patterson)容疑者(49)。警察は同日午前、メルボルンの南東約110キロの町リオンガサ(Leongatha)のパターソン容疑者の自宅を家宅捜査したが、今のところ起訴はしていない。

 パターソン容疑者は7月29日午後、疎遠だった義理の両親ドン・パターソンさんとゲイルさんと、地元のバブテスト教会の牧師イアン・ウィルキンソンさんと妻のヘザーさんを招き、キノコの入った牛肉料理を出した。

 その日の夜になり、4人の体調が急変。食中毒の症状で病院に搬送されたが、それから1週間のうちに3人が死亡した。

 警察は、4人の症状は猛毒のタマゴテングタケを食べた際のものと一致するとしている。

 69歳のイアンさんは生死の境をさまよったものの、命を取り留めた。2か月にわたり入院し、9月23日に退院した。

 パターソン容疑者は一貫して無実を主張。キノコはアジア系食品店から有毒とは知らずに購入したもので、事故だったと繰り返し訴えていた。

 また当初、豪メディアに声明で、キノコが中毒の原因かもしれないということに「打ちのめされている」とし「私には愛する人々を傷つける理由はまったくない」と主張している。

 タマゴテングタケはオーストラリア各地の雨が降る温暖な地域に自生しており、食用きのこと見た目が似ており間違えやすい。(c)AFP/Sharon MARRIS