カーニー首相「カナダは売り物ではない」 トランプ氏との初会談で主張
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【5月7日 AFP】カナダのマーク・カーニー首相は6日、ワシントンのホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と初の首脳会談を行い、「カナダは決して売り物にはならない」と強調した。
トランプ氏は、3月に就任したカーニー氏に対し、カナダは米国の「51番目の州になるべきだ」との持論をあらためて展開。「合意に至れば、素晴らしい結婚になる」と語った。
これに対しカーニー氏は、「不動産についてはお詳しいと思うが、決して売りに出されない場所もある」と述べ、カナダをホワイトハウスの大統領執務室や英バッキンガム宮殿になぞらえて「カナダは決して売り物ではないし、今後も売りに出されることはない」と反論した。
これに対してトランプ氏は、「決してないとは言えない」と切り返した。
両首脳は会談後、友好的な雰囲気を演出した。
カーニー氏は会見で、通商交渉は「複雑」だが、2時間にわたるトランプ氏との会談は「非常に建設的だった」と評価。関税撤回の可能性について問われると、「(トランプ氏は)その交渉に応じるはずだ」と述べた。
また、カナダが米国の州になるべきだというトランプ氏の主張については、「その考えを繰り返すのは建設的ではないと伝えたが、大統領は言いたいことを言うだろう」と述べた。
トランプ氏も「非常に素晴らしい会談だった」とし、「緊張は生じなかった」と強調した。
自由党を率いるカーニー氏は、4月28日の総選挙で「反トランプ」を掲げて勝利。対するトランプ氏はこれまで、カナダへの関税措置によって貿易戦争を引き起こす一方、NATOの主要同盟国であり、米国の大きな貿易相手国でもあるカナダを「米国の一部にすべきだ」と繰り返し主張してきた。(c)AFP