EU、ロシアに新たな制裁準備 仏外相インタビュー
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【5月2日 AFP】フランスのジャンノエル・バロ外相は1日、欧州連合(EU)がロシアに対する17回目の制裁を準備していると述べた。同外相はロシアのウラジーミル・プーチン大統領について、ウクライナの平和への「唯一の障害」と表現した。
EUはウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、かつてない規模の制裁を課しており、今年に入ってからは、プーチン氏が「無条件」で撤退しない限り、制裁を解除しないとの方針を打ち出している。
バロ氏はAFPのインタビューで、「われわれ欧州諸国は米国の(制裁)イニシアティブと足並みをそろえ、第17次制裁パッケージを準備している。私は昨日、(米上院議員の)リンジー・グラハム氏に対し、両パッケージの内容や発表時期について調整を図ると約束した」と語った。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、グラハム氏は、ロシアへの追加制裁とともに、ロシア産エネルギーを購入する国への関税導入を支持するため、超党派の議員ら数十人を集めたという。
バロ氏はさらに、「現在、ウクライナにおける和平の実現を阻む唯一の障害は、ウラジーミル・プーチンであることは明らかだ」と述べた。
また、ウクライナが「無条件の停戦を受け入れ、昨日は重要鉱物に関する協定を米国と締結することに同意した」としたうえで、「これはウクライナ政府の声明によれば、米国だけでなく他国とも経済協力を深めたいという期待に沿ったものだ」と指摘した。
一方で、「ウラジーミル・プーチン率いるロシアは、停戦やドナルド・トランプ米大統領が望むような和平への準備があることを示すサインを一切示していない」と非難した。
さらにバロ氏は、フランスは「レアアース(希土類)に関する専門知識を持っている」と述べ、ウクライナとの経済協定の可能性を排除しなかった。
米国とウクライナの協定では、戦争で荒廃したウクライナ国内にある重要鉱物資源の開発と投資を、両国が共同で進める方針が盛り込まれている。
ウクライナ側は、この協定が米国による安全保障上の保証につながることを期待しており、将来のロシアによる攻撃に対する防衛手段としたい考えだ。
バロ氏は、米国のマルコ・ルビオ国務長官との会談直後にAFPの取材に応じ、「率直でフィルターのない意見交換ができた」と述べ、緊密な連携体制に満足感を示した。
「地域的・国際的な危機への対応において、目標が一致していることも確認できた」と語った。(c)AFP
