ハリス前米副大統領、トランプ氏が描く米国は「狭量で利己的」
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【5月1日 AFP】カマラ・ハリス前米副大統領は4月30日、ドナルド・トランプ大統領と支持者を激しく非難した。
ハリス氏は、民主党の女性を勧誘、育成し、公職に就かせる運動を行っている政治組織「Emerge」がサンフランシスコで主催したイベントにゲストスピーカーとして出席した。
2026年に地元のカリフォルニア州知事選に出馬するか、2028年の大統領選への出馬を検討しているとみられているハリス氏が公の場で聴衆を前に演説したのは、昨年11月に大統領選で敗北して以降、初めて。
ハリス氏は支持者に対し、この3か月間の「混乱」は、保守派がトランプ氏を利用し、米国を都合よく歪めようと長年温めてきた計画を実現した形だと主張。
「公共教育の予算を削減。政府を縮小し、政府のサービスを民営化する。一方で、超富裕層への減税を実施する」
「狭量で利己的な米国のビジョンの下、彼らは真実を語る人間を罰し、自分たちに忠実な人間を優遇し、特権を生かして荒稼ぎする。それ以外の人々は自力で生きていくしかなくなる」と述べた。
トランプ氏は就任後最初の100日間を迎えた。これまで次々に打ち出してきた施策の一部について、支持者は歓迎しているが、最近の世論調査によれば、国民の大多数は、政治的・経済的な混乱や、特に「朝令暮改」の関税政策に幻滅し始めている。
ハリス氏は聴衆に対し、トランプ氏は反対派への威圧を狙い、大学や裁判所を標的にしていると主張。
「トランプ大統領とトランプ政権、そして同盟者たちが当てにしているのは、恐怖は伝染するという考えだ」とし、「一部の人々を怖がらせることができれば、他の人々も萎縮させられると思っている」と続けた。
だが、トランプ政権に立ち向かっている裁判官や研究者、政治家、一般の人々もいると指摘。
「伝染するのは恐怖だけではない。勇気も伝染する」と訴え、「米国のこうした人々の勇気に私は鼓舞されている」と強調した。(c)AFP