【4月28日 AFP】フィリピン政府は28日、南シナ海で係争中の鉄線礁(サンディー礁)について「掌握した」とする中国国営メディアの報道を「無責任だ」と強く非難し、現状に変化はないと反論した。

南沙諸島(スプラトリー諸島)の一部で、フィリピンの軍事拠点があるティトゥ島(パグアサ島)近くに位置するこの礁について、中国中央テレビ(CCTV)は26日、同国の沿岸警備隊が今月中旬に「海上統制を実施した」と報じた。

これに対し、フィリピン国家安全保障会議のジョナサン・マラヤ報道官は28日の記者会見で、「中国沿岸警備隊が同礁を掌握したという主張はまったくの事実無根だ」と否定。

さらに「中華人民共和国は、情報空間を利用して威圧や嫌がらせを行うことが自国に有利だと考えている」と述べ、サンディー礁に関する報道は「でっち上げ」であり、「無責任に拡散された」と非難した。

CCTVは「主権の誓い」との表現とともに、同礁の白い浜辺で沿岸警備隊員4人が中国国旗を掲げる写真も公開した。

これに対抗する形で、フィリピン沿岸警備隊も28日、前日早朝の任務中に同じ礁でフィリピン国旗を掲げる兵士の写真を公開した。(c)AFP