レアルが国王杯前の活動拒否、審判団の「容認できない」発言に抗議
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【4月26日 AFP】サッカースペイン1部リーグのレアル・マドリードは25日、スペイン国王杯決勝を翌日に控え、試合を担当する審判団がクラブの公式テレビチャンネルで圧力をかけられたと訴えたことを「容認できない」と抗議し、この日予定されていた全ての活動をボイコットした。
レアルは声明で、「参加チームの一つに対して決勝戦の24時間前に意図的に行われたこれら(審判団)の発言は、レアル・マドリードに対する明確であからさまな敵意と反感を改めて示している」と述べた。クラブは恒例の記者会見をはじめ、メディア向けの公開練習、伝統行事の夕食会、試合前の写真撮影への参加も拒否した。
審判団が変更されない場合、レアルは決勝戦自体のボイコットを検討しているとスペインメディアで報じられたが、クラブは新たな声明でこれを否定している。
レアルの公式テレビチャンネル「レアル・マドリードTV」では今週、今季さまざまな審判に対して行っているのと同様に、国王杯決勝を担当する審判を攻撃する新たな動画が流された。
これに対して主審のリカルド・デ・ブルゴス・ベンゴエチェア氏は、25日の記者会見で、レアル・マドリードTVからの圧力によって家族生活に影響が出ていると訴え、「子どもが学校に行って、他の子どもたちから『お前の父親は泥棒だ』と言われて泣いて帰ってくるのは、本当にどうかしている」と述べた。
さらに、涙を拭いながら審判への嫌がらせ問題を深刻に捉えるよう求め、「われわれがどこへ向かいたいのか、スポーツやサッカーから何を求めているのか考えるべきだ」と付け加えた。
一方、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のパブロ・ゴンサレス・フエルテス氏は、レアル・マドリードTVの放送内容に対して審判がさらなる行動を取る可能性を示唆した。
レアルは特に、ゴンサレス・フエルテス氏のこの発言を問題視。声明で、同氏の言葉が「脅迫的な口調」であり、決勝戦に向けて不可欠な「公正さ、客観性、そして公平性の原則からかけ離れた」行動が取られることを示していると批判した。
レアルは2月に発表した公開書簡でも、国内の審判が「不正操作」され、「完全に信用を失っている」と主張していた。
こうしたレアルの振る舞いに対し、スペインプロサッカーリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス会長は、「これはサッカーではなく、権力支配の問題だ」「(レアルは)国王杯決勝に参加しないと漏らしているが、なんと打たれ弱いことか。彼らはサッカーを改善したいのではなく、自分たちのサッカーを望んでいる」と怒りをあらわにした。(c)AFP