【4月21日 東方新報】中国の国家移民管理局は4月15日に記者会見を開き、2025年第1四半期における移民関連の主なデータを発表した。

 中国本土と海外を行き来した人の数は、延べ1億6300万人で、前年同期比15.3%増だった。その内訳は、中国本土の住民が8027万2000人、香港・マカオ・台湾の住民が6572万4000人、外国人が1743万7000人で、それぞれ前年比15.4%、11.2%、33.4%の増加となった。

 飛行機や車、列車、船といった交通手段による往来は、全国で849万5000件あり、前年より15.5%増えた。内訳は、飛行機が23万9000便(23.3%増)、列車が2万5000本(5.7%増)、船が10万6000隻(4.2%増)、車両が812万4000台(15.5%増)だった。

 第1四半期、中国の移民当局は国境管理を妨害する犯罪の取締りを強化し、冬季の治安対策や「不法入国・不法滞在・不法就労(いわゆる『三非』外国人)」の取り締まりを引き続き進めた。その結果、国境に関する犯罪を2851件摘発し、容疑者8402人を逮捕、犯罪グループ127件を摘発、中継や支援の拠点16か所を壊滅させた。事件に使われた車や船などの交通手段も388台押収した。

 また、国境地帯での銃器や爆発物、麻薬の密売・密輸などの違法行為に対しても厳しい対応が取られた。麻薬事件は128件で156人を逮捕し、うち19件は押収量が1万グラムを超える大規模事件だった。押収された薬物は計888.4キロに上る。さらに、銃器201丁、弾薬5463発を押収し、密輸品の押収額は7086万5000元(約13億8660万円)に達した。

 制度面では、移民関連の仕組みを整備し、より高いレベルの開放と質の高い発展に貢献している。例えば、東南アジア諸国の観光団が雲南省(Yunnan)のシーサンパンナ(Xishuangbanna)・タイ族自治州にビザなしで入れる政策が始まり、広東省(Guangdong)珠海市(Zhuhai)の住民がマカオを週1回訪問できる制度、横琴島エリアの住民が1回の許可でマカオを複数回訪問できる制度も導入された。

 また、旅行証をなくしたり忘れたりした香港・マカオ・台湾の住民が、本土内で飛行機や列車を急ぎで利用する必要がある場合に「臨時通行証」を発行する制度も実施された。さらに、香港・マカオ・台湾住民向けには旅行証と居住証を連携させた本人確認サービスも提供している。

 出入国関連の手続きは全国どこでも、オンラインでも可能になり、サービスの範囲がさらに広がった。発行された証明書の数は、一般パスポートが515万3000冊、本土住民向けの香港・マカオ・台湾渡航用証明書が2485万4000件、香港・マカオ・台湾住民向けの本土渡航証が56万9000件、外国人向けのビザ・証明書が36万1000件だった。

 国家移民管理局の行政サービスプラットフォームでは、国内外の人々に対して延べ4581万人に情報照会などのサービスを提供し、香港・マカオ・台湾住民、海外の華僑、外国人には無料で本人確認を行うサービスも延べ1680万人に提供した。さらに、同局のホットライン「12367」には、問い合わせや意見などの電話が延べ168万件寄せられ、平均満足度は99.5%に達している。(c)東方新報/AFPBB News