中国のサービス貿易規模、初の1兆ドル突破
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【2月6日 東方新報】中国商務部が3日に発表した最新データによると、2024年の中国のサービス貿易は急成長を遂げ、年間のサービス貿易額が初めて1兆ドル(約153兆3600億円)を突破した。過去最高の規模となり、貿易構造も引き続き最適化され、その発展の潜在力が示された。
2024年のサービス貿易総額は7万5238億元(約158兆4542億円)で、前年比14.4%増となった。そのうち、輸出額は3万1755.6億元(約66兆8686億円、前年比18.2%増)、輸入額は4万3482.4億元(約91兆5756億円、前年比11.8%増)だった。サービス貿易の赤字は1万1726.8億元(約24兆6971億円)で、前年より314.3億元(約6619億2837万円)縮小した。
中国商務部研究院の国際サービス貿易研究所所長である李俊(Li Jun)氏は、「年間のサービス貿易額が初めて1兆ドルを突破し、歴史的な新記録を達成した。成長速度も顕著に加速し、国際競争力が着実に向上している。貨物貿易とサービス貿易を合わせた総額に占める割合も増加しており、今後の発展の活力と潜在力を示している」と述べた。
分野別に見ると、旅行サービスが最も成長した。2024年、中国への旅行ブームが拡大し、サービス貿易全体の規模を押し上げた。年間の旅行関連サービスの貿易額は2万511.5億元(約43兆1980億円、前年比38.1%増)となり、サービス貿易の最大分野となった。故宮(紫禁城、Forbidden City)、万里の長城(Great Wall of China)、兵馬俑(へいばよう)、九寨溝(Jiuzhaigou)、黄山(Huangshan)といった伝統的な観光地や自然景観に加え、Citywalk(都市散策)などの体験型観光も人気を集め、海外からの旅行者が急増した。
国家発展改革委員会のマクロ経済研究院研究員・原倩(Yuan Qian)氏は、「この成長の背景には、中国がビザ免除政策の拡大や入国審査の簡素化、国際航空路線の拡充など、一連の改革を実施したことがある。これにより、世界各国との文化交流が促進され、サービス貿易の成長を支えている」と指摘する。
また、知識集約型サービスの貿易額は2万8965.2億元(約61兆円)で、前年比6.5%増加した。そのうち、輸出額は1万6573.2億元(約34兆9038億円、7.4%増)で、特に個人向けの文化・エンターテインメントサービスや、通信・IT関連サービスが急成長した。中でも、中国のデジタル文化コンテンツの輸出は目覚ましく、2024年に発売されたゲーム「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」が各プラットフォームで売上ランキングのトップに立った。また、高品質な映画・ドラマ、オンライン小説の海外展開も加速している。
世界的にデジタル化、スマート化、環境重視の流れが進むなか、中国も高水準の開放政策を推進し、サービス貿易をさらに拡大させている。2024年、中国は全国規模で越境サービス貿易のネガティブリスト管理制度(許可されない分野を明示し、それ以外を原則自由化する制度)を初めて導入し、自貿試験区版と全国版のネガティブリストを策定した。専門家は「今後、サービス貿易のさらなる発展には、一層の市場開放が重要になる」と指摘している。(c)東方新報/AFPBBNews