中国大使館、一部英政治家は「傲慢」と非難 高炉閉鎖問題で
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【4月17日 AFP】在英中国大使館は、鉄鋼大手ブリティッシュ・スチールの高炉閉鎖問題をめぐり、一部の英政治家が「反中国的な発言」をしたとして非難した。
問題となっているのは、イングランド北東部スカンソープのブリティッシュ・スチールの高炉2基。
同社は2020年に中国の同業・敬業集団に買収された。しかし、敬業は操業維持に向け12億ポンド(約2300億円)以上を投資したにもかかわらず、1日当たり70万ポンド(約1億3000万円)の損失を垂れ流しているとして、3月末に高炉の閉鎖方針を発表した。
高炉が閉鎖されれば従業員約2700人の雇用が失われ、かつて隆盛を誇った英鉄鋼産業の衰退が決定的になるため、キア・スターマー政権は、長期的な経済安全保障への脅威になると危惧している。
英政府は高炉存続に向けた敬業との協議が物別れに終わったのを受け、緊急法案を議会に提出。議会は12日、ブリティッシュ・スチールに操業を維持するか、制裁を受け入れるかを迫る法案を可決した。
ジョナサン・レイノルズ・ビジネス貿易相はその際、英国は中国企業に重要インフラの運営を任せることに「極めてナイーブすぎた」と語った。また、野党・保守党のクリストファー・チョープ下院議員は、敬業について「産業破壊行為」をしていると非難した。
こうした発言を受け、中国大使館の広報官は16日に匿名で、「一部の英政治家による反中国発言は非常にばかげており、傲慢(ごうまん)さや無知、ゆがんだ考え方を反映したものだ」との見解を大使館のウェブサイトに投稿した。
「米国が英国を含むすべての国を相手に関税のむちを振りかざし、一方的かつ保護主義的な貿易面でのいじめを行っている時に、一部の英政治家は米国を批判する代わりに中国政府と中国企業を中傷し続けている。一体何がしたいのか」と問い掛けている。(c)AFP