【4月10日 AFP】2025年大阪・関西万博が13日、開幕する。世界的な混乱に見舞われ、日本国民の関心も低いが、人類の団結を目指し、6か月にわたってさまざまなイノベーションが披露される。

万博には160以上の国と地域、国際機関が参加。会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)には、藻類に扮(ふん)した「ハローキティ」や火星から飛来した隕石(いんせき)、人工多能性幹細胞から作った拍動する「iPS心臓」など、多数の未来的なアトラクションが詰め込まれている。

ほとんどのパビリオンは、「世界最大の木造建築物」である大屋根リングの内側に配置されており、それぞれが前回の万博よりも奇抜なデザインとなっている。

大屋根リングは「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を表すものだが、世界で紛争が激化し、米国の関税導入による混乱が世界経済を脅かす中、この目標は楽観的過ぎるかもしれない。

持続可能性というテーマは、エコロジカルフットプリントが最も小さいパビリオンを目指すスイス館をはじめ、万博全体で貫かれている。

だが、一時的なものだとの批判も受けている。10月の閉幕後に会場は更地にされる他、隣ではカジノを含む統合型リゾート(IR)の建設工事が進められている。

日本のメディアによると、大屋根リングの再利用率はわずか12.5%にとどまっている。

大阪で前回1970年に開催された日本万国博覧会(70年大阪万博)は、日本の技術力が世界の羨望(せんぼう)の的だった高度経済成長期で、6400万人以上が来場。2010年上海万博まで万博史上最多の入場者数を誇った。

だが、55年がたった今、日本はかつてのような新しい流行をつくる存在ではなくなり、世論調査でも万博への関心は低い。

前売り券の販売枚数は870万枚で、開幕までの目標だった1400万枚を下回っている。(c)AFP