ガザは「キリングフィールド」と化した 国連事務総長
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【4月9日 AFP】国連のアントニオ・グテレス事務総長は8日、パレスチナ自治区ガザの状況について、イスラエルが援助物資の搬入を阻止し続けているため、「キリングフィールド(殺りくの場)」と化していると警告した。イスラエル当局者はこの発言に対し「援助不足は起きていない」と即座に反論した。
グテレス氏は米ニューヨークの国連本部で記者団に対し、「ガザへの援助が届かなくなってからすでに1か月以上が経過した。食料も、燃料も、薬も、商品もない。援助は途絶え、恐怖の扉が再び開かれた」と語った。
また、戦時の保護対象について定めたジュネーブ条約に基づき、「占領国」が住民に食料や医療品を提供する義務があると強調。しかし「今日、そうしたことは行われていない。ガザには人道支援物資が一切入っていない」と改めて指摘した。
グテレス氏の発言を受け、イスラエル外務省のオレン・マーモスタイン報道官は「ガザにおいて人道支援物資の不足はない」と直ちに反論。さらに、ハマスが最近のガザへの支援を「戦争機械の再建」に利用していると主張した。
グテレス氏はヨルダン川西岸の状況についても、「足元の状況は行き詰まりだ。国際法と歴史に照らしてもまったく容認できるものではない」と強調。「今こそ、人としての尊厳を奪うような行為を終わらせ、市民を守り、人質を解放し、命を救う支援を確保し、停戦を再開すべき時だ」と訴えた。(c)AFP