フランス教育省、現代版「美女と野獣」の発注中止
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【3月21日 AFP】フランスの教育省は20日、小学校を卒業する生徒らの夏季休暇中の読書用として発注していた童話「美女と野獣」の現代版の挿絵が、10代前半の読者にふさわしくないとして発注を取り消したと発表した。
「美女と野獣」は18世紀に書かれた古典的童話で、教育省は今夏、小学校を卒業する80万人への提供を計画していた。しかし、イラストレーターのジュル氏(本名ジュリアン・ベルジョー氏)が描いた21世紀版の挿絵が、この年齢層の生徒に適さないと判断した。
ジュル氏の挿絵のヒロインは、地中海系の浅黒い姿に描かれている。また、ヒロインの高慢な姉たちがスマートフォンに夢中になっている様子や、商船の事業に失敗し、裁判にかけられることになる一家の父が、港で警官と警察犬に取り調べを受ける様子が描かれている。
エリザベット・ボルヌ教育相は報道番組で「これは現代的な書き換えだ。アルジェリアから来た父親が不正を働き、警察に止められるという設定だ」と指摘。
「教師がいる場であれば、こうした設定も説明できるかもしれないが、これは家族と過ごす休暇中の読書用とされている本だ。確かに興味深い作品ではあるが、この教育環境には適していない」と述べた。
ジュル氏は今週、教育省からの通知で、飲酒やSNS、警察犬などが登場する挿絵は「もっと年長の中学校後半~高校の生徒によりふさわしい」と説明されたと述べた。
ジュル氏はこれに対し、「政治的決定」であり「検閲」だと批判している。
また非白人系の欧州移民に関する極右の陰謀論を示唆しつつ、「金髪のプリンセスたちを、地中海系の少女たちに『大転換』した私の挿絵が、教育省にとって一線を越えてしまったのだろうか」と問い掛けた。(c)AFP