中国代表戦で杭州に経済効果
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【3月19日 東方新報】国足(中国代表)がオーストラリア代表とのサッカーワールドカップ(W杯)出場を懸けた重要な一戦が25日に浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で開催する。この試合により、杭州には6万7千人以上の観客が集まる見込みで、国内のサッカー観客動員数記録を塗り替える可能性もある。
3月7日のチケット発売では、わずか15分で全席完売。チケット売上は5000万元(約10億3306万円)を超えると見られている。さらに、航空券やホテルの予約も急増しており、オンライン旅行サイト「去哪儿(Qunar)」によると、試合日前後の航空券予約は前週比で1.2倍、ホテル予約も前年比で2倍以上増加。とくに会場周辺のホテル予約は、急上昇している。
この盛り上がりによって、地元の飲食業や観光産業にも大きな波及効果が期待されている。長年国足を追いかけてきた有名サポーターのロッシさんは、「試合がある都市では、飲食・宿泊・観光などすべての消費が活性化する。2001年にW杯出場を決めた時も、全国が『眠らない街』になった」と話す。
また、各開催都市は観光誘致にも積極的だ。杭州では観戦チケットを持つ人に対して、観光施設の入場料割引やホテル優待、旅行パッケージなどのサービスを提供。たとえば、杭州楽園の入場料が半額、湘湖の遊覧船・観光バスも割引になるなどの特典が設けられている。
過去にも、遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)や大連市(Dalian)など他の都市で同様の優遇施策が行われ、国足の試合を機に観光消費を促進してきた。ロッシさんは「今は観戦だけでなく、観光目的で来る家族連れも増えており、旅行の形も変わってきている」と話す。
国家統計局によると、2023年の中国スポーツ産業の総規模は約3兆6741億元(約75兆9124億円)相当、GDPの1.15パーセントを占める。今年の政府活動報告でも「文化・観光・スポーツ分野の消費促進」が明記された。
スポーツ経済に詳しい専門家・易剣東(Yi Jiandong)氏は「スポーツ消費を拡大するには、まずは良質な試合と観戦環境の提供が不可欠だ。観客を呼び込むには、競技レベルだけでなく、スタジアム設備、審判体制、メディア発信も含めた総合的な整備が必要だ」と指摘する。
中でもサッカーは、スポーツ産業の中で最も規模が大きく、観戦チケット、宿泊、飲食、グッズなど幅広い消費を生み出す。中国市場の成長ポテンシャルは高く、ファンのニーズに応えることが、産業強化のカギになるという。(c)東方新報/AFPBB News