【3月14日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル前首相は13日、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)のパンデミック(世界的な大流行)の起源について、中国の研究所から流出した可能性が高いと結論付けた報告書を自身が隠蔽(いんぺい)していたとの報道を否定した。

メルケル氏の事務所は独日刊紙ターゲスシュピーゲルに対して書面で「前首相は疑惑を非常に明確に否定している」と述べた。

週刊紙ツァイトと日刊紙南ドイツ新聞の報道によると、ドイツ連邦情報局(BND)は2020年、新型コロナウイルスの起源について、中国湖北省の武漢ウイルス研究所から流出した可能性が80~95%だと判断した。

両紙は、メルケル氏が調査を委託したものの、結果の公表を阻止したと報じている。2021年12月に就任した後任のオラフ・ショルツ首相も同様の措置を取ったとしている。

当局は国民がパニックに陥るのを防ぎたがり、中国政府との外交危機をあおることを懸念していたと報じられている。

メルケル氏は疑惑の詳細に言及せず、政府の公文書を保管している首相府に問い合わせるよう求めた。

パンデミック時に保健相を務めていたイェンス・シュパーン氏は民放RTLに対し、BNDの報告書については「メディアを通じてしか聞いたことがない」と述べた。(c)AFP