■憎しみを裁判で叫びたい

ビネさん夫婦によると、マティスさんの精神状態は年々悪化し、2021年に薬物の過剰摂取で亡くなった。

ル・スクアルネック被告はその前年、めい2人を含む子ども4人を性的虐待した罪で有罪を言い渡されていた。

ビネさんらは今回、ル・スクアルネック被告に対する新たな民事訴訟の当事者となって、初めて孫に何が起こったのかを知った。

また、2005年に児童の性的虐待画像を所持していた罪で執行猶予付きの禁錮4月の有罪判決を受け、同僚らが懸念を示していたにもかかわらず、その後も数十年にわたってル・スクアルネック被告が診療行為を続けていたことも知った。

モリセットさんは公判を前に「(有罪判決を受けた後)に復職するべきではなかった」と話し、当局がル・スクアルネック被告を止めるために十分な対策をとらなかったと非難した。

公判に出席するのは、孫の代わりに正義を求め、孫を虐待した男をこの目で見るためだとモリセットさん。

「マティスになんてことをしてくれたんだと、憎しみの気持ちを本人の前で叫びたい」と語った。(c)AFP