米南西部で麻疹の死者2人、感染者は約230人に CDC
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【3月8日 AFP】米国南西部で麻疹(はしか)が流行し、2人が死亡、200人以上が感染している事態を受け、米疾病対策センター(CDC)は医療従事者および旅行者への注意を呼び掛けた。
7日時点で感染が報告された患者はテキサス州で198人、ニューメキシコ州で30人、計228人に上っている。
各州1人の死亡が確認され、テキサス州の死者は子どもで、ニューメキシコ州は成人。いずれもワクチンは接種しておらず、ニューメキシコ州の患者は死亡後に麻疹の陽性判定が出た。
ニューメキシコ州の検視当局は死因を公表していないが、CDCは麻疹関連とみている。
CDCは「麻疹の流行が急速に拡大しているため、感染者の増加が予想される」とし、健康危害情報ネットワークで、医療従事者、公衆衛生当局、旅行を予定している人々に警告。
「米国で春と夏の旅行シーズンが近づいている中」、臨床医と公衆衛生当局は「麻疹の症例の定義に合致した発熱を伴う発疹に警戒し、外国人旅行者向けのワクチン接種ガイダンスなど、麻疹予防の効果的な戦略を共有すべきだ」としている。
米国では麻疹のワクチン接種率が低下しており、特に新型コロナウイルスの感染拡大期以降、ワクチンに関する誤情報が急増している。
ワクチン懐疑派のロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官は、麻疹の流行を受けて立場を軟化させ、ワクチン接種を推奨しつつ、ビタミンAやステロイドなどの治療法も推進している。
専門家は、医学的に有効ではあるが、こうした治療法を強調することで、ワクチン接種率を向上させる緊急の必要性が曖昧になるおそれがあると警告している。(c)AFP