ヒト族、150万年前に骨から道具 研究
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【3月6日 AFP】人類の祖先であるホミニン(ヒト族)が150万年前に骨から道具を作っていたとする研究結果が5日、科学誌「ネイチャー」で発表された。人類の進化における重要な節目について、従来より100万年以上もさかのぼる発見だとしている。
これまで、骨から意図的に道具を作った例で、50万年以上古いものは見つかっていなかった。
スペイン主導の研究チームは、タンザニアのオルドバイ渓谷で、ゾウやカバなどの大型哺乳動物の脚や腕の骨で作られた27の道具を発見した。
素人の目には、ばらばらの骨の破片のように見えるかもしれないが、研究チームはこれらの道具について、人類の遠い祖先の驚くべき認知能力の証拠であり、自分たちのニーズに応じて適切な材料を選び、道具を形成する能力を示していると指摘している。
論文の共著者で、フランスのボルドー大学の考古学者フランチェスコ・ディエリコ氏はAFPに、「骨の形を変え、非常に重くて長い道具にしようとした明確な意図が感じられる」と語った。
ホミニンは、岩をハンマーのように振るって骨を加工。そうして作られた道具は長さ20〜40センチに及び、重量1キロに達するものもあった。
「骨の中央に切り込みが入っているものもあり、手で握りやすいようにしたのかもしれない」とディエリコ氏は説明した。
大きく、先端が尖った道具は、大型動物の死骸を処理するために使われたと考えられている。(c)AFP/Pierre Celerier