【3月4日 AFP】ウクライナで捕虜となった北朝鮮兵2人に面会した韓国の国会議員は4日、彼らが韓国で「普通の生活」を送ることを希望していると述べた。韓国政府は先月、北朝鮮兵には韓国籍を取得する権利があると明言している。

韓国国家情報院(国情院)は1月、ウクライナ侵攻に参加したロシア軍への援軍として派遣された推定約1万人の北朝鮮兵のうち、2人が捕虜となったことを確認した。

韓国のユ・ヨンウォン議員は、ウクライナ当局に要請し、首都キーウで収容されている兵士2人と面会することができたと述べた。同氏は会見で「2人の若い捕虜と対面した瞬間、私は感極まった。哀れみ、同情、そして生まれ持った共感が湧き上がった」と語った。

兵士の一人は、最終的に両親と再会することを目指して韓国へ移住したいと語ったという。

ユ氏によると、その兵士は「韓国に行けば、自分が望む権利を持ち、自分の望むように生きることができるか」「家を持ち、家族を築くことができるか」と尋ねたという。

韓国の憲法では、北朝鮮の住民も韓国国民と見なしており、当局は先月、ウクライナで捕虜となった兵士にもこれが適用されることを改めて認めた。

ユ氏は、兵士を北朝鮮へ送り返すことは「事実上の死刑判決」だと述べた。

韓国の情報機関によると、北朝鮮兵は捕虜になるよりも自決するよう命じられている。ユ氏によると、兵士らは負傷した同僚が手りゅう弾で自爆するのを目撃したと語ったという。

「戦争捕虜であっても、北朝鮮兵は憲法上、韓国国民として認められており、それに従って保護されなければならない」とユ氏は述べた。(c)AFP