イスラエル、ガザへの支援物資搬入を阻止
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【3月3日 AFP】イスラエルは2日、パレスチナ自治区ガザ地区への支援物資の搬入を阻止した。これまでの6週間の停戦期間中は、食料やテント資材、医療物資などの搬入が可能になっていた。国連のアントニオ・グテレス事務総長は、人道支援の即時再開を求めた。
イスラエルの決定は、停戦の第1段階が終了し、停戦延長をめぐる協議が行き詰まっているとみられる中で下された。
停戦仲介役のエジプトとカタールは、イスラエルは停戦合意をあからさまに侵害していると非難した。
AFPの写真によると、イスラエルの措置により、ラファ検問所のエジプト側では物資を積んだトラックが列をなしている。
イスラエルは2日未明、米国のスティーブ・ウィトコフ中東特使が提示した4月中旬までの停戦延長案を承認したと発表した。一方のイスラム組織ハマスは延長を繰り返し拒否し、代わりに恒久停戦を目指す第2段階への移行を主張している。
停戦の先行きが不透明な中、イスラエルとパレスチナの情報筋は、ハマスが支配するガザでイスラエル軍の空爆があったとしている。ガザの保健当局は、少なくとも4人が死亡したと発表した。
ハマスはイスラエルの決定について「安っぽい脅迫であり、戦争犯罪であり、(停戦)合意に対する露骨な違反だ」と述べた。
エジプト外務省は、イスラエルが飢餓を「パレスチナ人に対する武器」として利用していると指摘。サウジアラビアは、「脅迫と集団的懲罰の手段」だと糾弾した。
欧州連合(EU)は、ハマスが停戦の第1段階の延長を拒否したと非難する一方で、イスラエルのその後の援助停止は「人道的影響をもたらす恐れがある」として、「第2段階に関する交渉を迅速に再開」するよう呼び掛けた。
これに対し、イスラエルのギデオン・サール外相は、ガザにおける飢餓のリスクについての記者団からの質問に、そうした情報は「うそ」だと一蹴した。(c)AFP