【2月28日 AFP】米国の元国防長官5人は27日、ドナルド・トランプ大統領が米軍制服組トップのチャールズ・ブラウン統合参謀本部議長を含む国防総省幹部を解任・入れ替えたことについて、議会宛ての書簡で「無謀」だと非難した。

トランプ氏は今月、米国防総省の大規模な人事刷新に着手。ブラウン氏をはじめとする国防総省幹部を解任するとともに、数千人規模の文民職員を解雇する動きを見せ、国防総省は政治的論争の的となっている。

議会宛ての書簡には、現政権のロイド・オースティン国防長官のほか、ウィリアム・ペリー氏、チャック・ヘーゲル氏、レオン・パネッタ氏、そしてトランプ政権第1期の国防長官だったジェームズ・マティス氏の5人が署名した。

彼らは、「われわれは米国議会に対し、これらの無謀な行動についてトランプ氏に責任を問うとともに、憲法に基づく監視責任を完全に果たすよう強く求める」と訴えた。

また、「トランプ氏による解任は、政権が軍を政治化し、大統領権限に対する法的制約を取り払おうとしているのではないかという、憂慮すべき疑念を引き起こしている」と指摘。

さらに、「トランプ大統領の行動は、全志願制の米軍を弱体化させ、国家安全保障を損なうものだ」とも批判した。

黒人として史上2人目の米軍制服組トップだったブラウン統合参謀本部議長は、任期4年のうち2年にも満たず解任された。ブラウン氏に対する不正行為の告発は一切ない。

民主党は、トランプ大統領とピート・ヘグセス国防長官が軍を政治化し、大統領に個人的に忠実な人物を指導者に据えようとしていると非難している。(c)AFP