【3月1日 CNS】数か月前、中国の屋台料理「麻辣燙(マーラータン)」が日本でブームとなり、多くのメディアが報じた。しかし、中国国内には、もう一つの有名な春雨系スナックがあり、今や世界規模で急成長する産業チェーンを形成している。それが「螺蛳粉(タニシ麺)」だ。日本でも名前を聞いたことがある人がいるかもしれない。

 螺蛳粉は、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)柳州市(Liuzhou)が発祥の地だ。当初は地元の屋台料理として親しまれていたが、2010年代中頃に電子商取引(EC)の発展に乗じて、中国全土に広がった。それと同時に、文化的な認知と経済的な成功を手にした。

 螺蛳粉は、中国の民族文化が融合した食品である。漢族・チワン族の稲作文化、ヤオ族・ミャオ族・トン族の酸味を好む食文化、そして柳江地方の螺蛳(タニシ)を食べる習慣が融合しているのだ。2021年には、螺蛳粉の製造技術が中国の国家級無形文化遺産に登録された。2024年には、螺蛳粉の全産業チェーンでの売上が759.6億元(約1兆5636億円)に達し、成長を続けている。さらに、過去5、6年で海外輸出は100倍以上に拡大している。

 なぜ螺蛳粉は海外でも人気を博しているのか?広西柳州螺蛳粉技術革新センターの専門家、程昊(Cheng Hao)氏は次のように分析している。

 まず、独特な風味が魅力の螺蛳粉は、辛味、爽快感、旨味、酸味、熱々の食感という独特な風味を持っている。この強烈な感覚体験が、消費者の興味を引き、記憶に残る。また、それが自然な口コミを生み出している。

 次に、政府と企業による共同プロモーション 柳州螺蛳粉のブランド価値を高め、保護するための取り組みが行われている。産業化の視点から商品開発が進められており、特にレトルトパッケージ化により地域の壁を越えて、世界中の消費者に本場の味を届けている。

 また、産学連携による技術革新 広西自治区は名門大学と連携して、螺蛳粉のイノベーションセンターや食品研究所を複数設立している。これにより、味の向上や競争力の強化が図られている。

 現在、中国の螺蛳粉は、海外市場の拡大を目指し、特に東南アジア諸国連合(ASEAN)市場を重点戦略エリアとしている。現地の食文化に合わせた商品展開を進めており、例えば、ハラール認証を取得した商品を発売したり、東南アジアの嗜好に合わせて新しいフレーバーを開発したりしている。これにより、螺蛳粉の独特な酸味・辛味を保ちながら、現地消費者の嗜好にマッチした味わいを提供している。

 近年、「一帯一路(Belt and Road)」構想や西部陸海新通路の整備推進に伴い、柳州螺蛳粉が海外市場に進出する機会がますます広がっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News