【2月26日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が実業家のイーロン・マスク氏の足の指をしゃぶる内容のAI(人工知能)で生成された偽動画が住宅都市開発省の本庁舎内で再生されたのを受け、調査が開始された。同省の報道官が明らかにした。

米紙ニューヨーク・タイムズによれば、動画は24日、同省のスクリーンで「短時間」再生された。

動画は、トランプ氏と、世界一の大富豪で米政府効率化省(DOGE)を率いるマスク氏の親密な関係を批判するもので、「真の国王万歳」というキャプションが表示されていた。

トランプ氏が自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、政権がニューヨーク市の渋滞税導入計画を阻止したことを自画自賛し、「渋滞税は死んだ。マンハッタンとニューヨーク全体が救われた。国王万歳!」と投稿したことに言及したものとみられる。

住宅都市開発省の報道官はSNSで、この行為は「税金の不正利用」だと批判。調査を実施し、責任者を突き止めて解雇する方針を明らかにした。

繰り返し再生されるこの動画は、AIを使って生成されたとみられている。

マスク氏は連邦政府職員に対し、電子メールで、この日までに仕事の成果を報告するよう求めていた。

トランプ氏の側近が率いる機関を含む複数の連邦機関では職員に対して、このメールを少なくとも当面は無視するよう通達したため、不安を抱いていた職員の間でさらに混乱が広がったまま期限は過ぎた。

マスク氏は24日、X(旧ツイッター)で連邦政府職員に対し、「もう一度チャンス」を与えるので仕事の正当性を証明するよう求めた。証明できなければ解雇すると警告している。(c)AFP