【2月24日 AFP】ロシア大統領府(クレムリン)は23日、ウラジーミル・プーチン大統領とドナルド・トランプ米大統領という2人の「非凡な」大統領の電話会談について、「有望」なものだったと評価した。一方で、ウクライナ東部で奪取した領土は「決して」放棄しないと強調した。

トランプ氏は今月12日、プーチン氏と電話で協議し、ウクライナ和平交渉を即座に開始することで合意したと発表した。

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は国営テレビで、これについて「2人の非凡な大統領の対話だ」とコメント。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始以来続いていた、国際社会におけるプーチン氏の孤立に終止符を打つものだとし、「両首脳の政治的意思の実現を妨げるものが何もないことが重要だ」と述べた。

米ロは先週、サウジアラビアで高官協議を開き、両国関係の修復や、ウクライナでの停戦の可能性に関する議論を開始した。ただし、この協議にウクライナや欧州は関与していない。

トランプ氏のロシアへの接近は、ウクライナおよび欧州全体に警戒感を抱かせている。だが、実際にトランプ氏の動きによって、ウクライナ紛争が停戦に近づくかは未知数だ。

そうした中、ペスコフ氏は、ウクライナとの和平合意の一環としてのいかなる領土の譲歩も拒否すると明言した。

同氏は侵攻開始後に、ウクライナ東部のロシア支配地域で親ロシア派が実施したロシア編入の是非を問う住民投票を指し、「人々はずっと前から、ロシアに加わることを決めている」と主張。「これらの領土を売り払うことは決してない。それが最も重要なことだ」と語った。

この住民投票は、ウクライナ、西側諸国、国際監視団から「偽の投票」と非難された。

■神に託された使命

クレムリンは「祖国防衛の日」の23日、神と運命が自らとロシア軍に「ロシアを守る使命」を託したとするプーチン氏の演説動画を公開した。

ウクライナ侵攻開始から3年を迎える24日を翌日に控え、プーチン氏は、ウクライナ紛争で戦う兵士や退役軍人に向け、「いわば運命がそう望み、神がそう望んだのだ。われわれと君たちの肩には、名誉あると同時に困難な使命、すなわちロシアを守るという使命が託されている」とし、「きょう、兵士たちは命の危険を顧みず、勇敢に祖国と国益、そしてロシアの未来を断固として守っている」と訴えた。(c)AFP