【2月16日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は15日、ドイツ・ミュンヘンで開催中の安全保障会議で演説し、欧州軍の創設を呼び掛けた。また、ドナルド・トランプ米大統領がロシアとの停戦交渉に意欲を見せる中、交渉ではウクライナと、欧州の支援国の意見が聞き入れられるべきだと訴えた。

ゼレンスキー氏は、トランプ氏がホワイトハウスに復帰したことで、欧州はもはや米国に常に頼ることはできなくなったと指摘。「今や、欧州に脅威を与える問題で米国が欧州にノーと言う可能性を排除できなくなった」「その時が来たと確信している。欧州軍を創設しなければならない」と述べた。

欧州統合軍を創設する構想は何年も前から提案されているが、これまで進展はない。ゼレンスキー氏の提唱で、状況が変化する可能性は低いとみられる。

トランプ氏は今週、停戦交渉を開始するためにロシアのウラジーミル・プーチン大統領と近く会談する可能性が高いとの見方を示した。

ウクライナにとっての短期的な優先事項は、ロシアを含むいかなる和平交渉においても自国の声が聞き入れられるようにし、不利な「ディール(取引)」を回避することにある。

ゼレンスキー氏は演説で、「ウクライナの関与なしにわれわれのいない所で行われた取引は決して受け入れない」「ウクライナ抜きでウクライナに関する決定はあり得ない。欧州抜きで欧州に関する決定はあり得ない」と語った。(c)AFP