【1月27日 東方新報】中国自動車メーカー大手の上海汽車集団(SAIC)が1月中旬、「尚界」「上汽尚界」などの商標を一斉に申請した。これらは燃料油脂や機械設備、広告販売などの国際分類に登録され、現在は審査待ちとなっている。また、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の「問界(Aito)」に似た図形商標も申請している。

 この「界」シリーズの商標登録が業界の注目を集めている。「尚界」がファーフェイの鴻蒙智行(HIMA)シリーズにおける「問界」「智界」「享界」「尊界」に続く「第五界」ではないかとの憶測も出ている。しかし、上海上汽集団はこれについて公式なコメントを出していない。

 昨年11月末には、上海上汽集団がファーフェイとの協力を模索しているとの噂が広まった。この協力プロジェクトは、上汽集団の賈健旭(Jia Jianxu)総裁が直接指揮しているとされ、ファーウェイが展開する既存の協力モデル(サプライヤー提供、HIモデル、智選車モデル)に加え、新しい協力形態が模索されている可能性があるとも報じられた。また、上汽集団がファーウェイの子会社「引望智能技術」に戦略的投資を行う可能性も示唆されたが、この時点で上汽集団は「コメントなし」と回答している。

 2025年初めには、上汽集団の自主ブランド「飛凡汽車科技」がファーウェイとの協力対象となるとの報道もあった。飛凡汽車はファーウェイの技術ソリューションを採用し、新型車「RC7」を再始動させる計画があるとされている。しかし、これに対してもファーウェイと上汽集団の両社は明確なコメントを避けている。

 2021年の株主総会で、上海上汽集団の当時の会長であった陳虹(Chen Hong)氏は、「上汽として、一つのサプライヤーから全体のソリューションを提供されるのは難しい。それでは、そのサプライヤーが『魂』となり、上汽はただの『体』になってしまう。上汽の『魂』は自分たちで握らなければならない」と述べた。

 しかし現在、ファーウェイのHarmonyOSを搭載した車の販売台数が急速に増えていることを受け、資本市場は上汽集団がファーウェイとの協力を進めることに対して好意的な見方を示している。上汽集団の株価は2024年11月11日の始値13.32元(約286円)から同年12月31日には最高値の21.3元(約457円)まで上昇し、累計で60パーセントの上昇率を記録した。2025年1月24日の終値は16.94元(約362円)まで下がったものの、依然として2022年6月以来の高水準を維持している。(c)東方新報/AFPBB News