中国の科学者 チベットで世界最小の龍脚類恐竜の足跡化石を発見
このニュースをシェア
【1月17日 CGTN Japanese】中国地質調査局自然資源実物地質資料センターと中国地質大学(北京)の科学研究チームはこのほど、中国南西部のチベット自治区チャムド(昌都)市凍多村にある2か所の恐竜足跡化石群の中から、現在知られる範囲で世界最小の龍脚類恐竜足跡化石を発見したと明らかにしました。関連の論文は国際古生物学学術誌の「ヒストリカル・バイオロジー」に掲載されました。
同センターの科学研究チームは2023年7月、調査のためにチャムド市カルプ区北部を訪れた際、村道の両側の岩壁に爬虫類の足跡が残っていることを偶然に発見しました。その後、中国地質大学(北京)の生痕化石学の専門家と合同調査を行いました。
恐竜の生痕が発見されたのはジュラ紀中期の東大橋組層と呼ばれる地層で、今から約1億7000万年から1億6600万年前のものです。恐竜の足跡が発見された地層と隣接する地層から微生物層、古代藻類の痕跡、石針(化石や鉱物の針状の構造物)、海洋生物の痕跡、スコーン(特定生物の痕跡化石の一種)などが見つかりました。これはこの場所が浅い水域で、流れが穏やかな場所であり、その環境が恐竜を引き寄せ、足跡化石が多く残ったとみられます。調査隊の発見した足跡化石が存在する2カ所では、初期の龍脚類恐竜と獣脚類恐竜の足跡化石が見つかりました。中でも龍脚類恐竜の足跡は長さ8.8~15.5センチで、これまで記録された最小の龍脚類恐竜の足跡です。
また、今回発見された足跡化石の証拠は、チベットの東部はかつて古テティス海の一部であり、ジュラ紀中期の恐竜は主に竜盤類だったというこれまでの仮説の信頼性をさらに高めました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News