【1月6日 CNS】70年前、全長4360キロの青蔵公路と川蔵公路が完成し、開通した。平均海抜4000メートルという「世界の屋根」で、11万人の道路建設者たちが世界の道路建設史に残る奇跡を生み出した。それから70年後の現在、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)の道路総延長は12.33万キロに達し、ラサ市(Lhasa)を中心に四川(川、Sichuan)、雲南(滇、Yunnan)、青海(青、Qinghai)、新疆ウイグル自治区(新、Xinjiang Uighur Autonomous Region)などの地域を結び、ネパールと接続する広域道路網が完成した。この道路網は、文明の相互融合も実現させた。

「両路」(青蔵公路と川蔵公路)が完成したことには、どのような歴史的・現実的な意義があるのか。この道路はどのようにして各民族の交流・交往・融合を促進したのか。また、70年の時を経た「両路」は、過去から未来へどのように繋がるのか。

 重慶交通大学(Chongqing Jiaotong University)の王戎(Wang Rong)教授は、「両路」の完成と開通は、チベット自治区の社会経済の急速な発展、生活環境の改善、民族の団結と進歩において極めて重要な役割を果たしたと語る。「両路」はチベット自治区への交通の大動脈であり、その開通はチベット自治区の交通運輸に新たな時代を切り開いた。道路の延伸に伴い、さまざまな物資がチベット自治区や四川、青海の民族地域へと絶え間なく運ばれ、沿線の経済繁栄や人びとの生活改善を迅速に促進し、都市や農村の様相を大きく変えた。

「両路」の完成によって沿線の都市化が進み、工場や学校、病院、交通拠点、文化施設などが次々と建設された。また、中国国内の他地域から多くの教師や技術者、医療従事者がチベット自治区に派遣され、教育の普及や医療体制の整備、インフラ開発など、地域の発展に力を注いだ。一方で、チベット自治区やその周辺地域の住民は、便利になった交通を活用して外部で学び、知識や技術を身につけて地元に戻り、地域の発展を担う重要な存在となった。

「交通は経済の動脈であり、文明の紐帯である」と言われるように、「両路」は各民族の交流や融合を促進する上で重要な役割を果たしている。「両路」の建設過程は、同時に民族団結を推進する過程でもあった。

 交通がますます便利になる中で、「両路」は重要な観光ルートとして、世界的に知られる観光地ともなっている。2023年、チベット自治区の観光総収入は651.46億元(約1兆3000億円)を達成した。一方で、観光業は川青藏地域の第三次産業の牽引役となり、地域経済の柱の一つへと成長した。これにより、地元住民は地元での雇用や起業を実現し、収入を増やして生活を豊かにすることが可能となった。また、観光業の発展は、経済・文化交流を強化し、各民族間の結束力と連帯感を高める役割も果たしている。

「両路」が開通して30年が経った頃には、チベット自治区には川蔵公路、青蔵公路、新蔵公路、滇蔵公路に加え、海外に通じる中尼公路(中国とネパールを結ぶ道路)も完成した。2013年には墨脱(メトク県)公路が開通し、中国最後の未舗装地域が道路網に組み込まれた。

 チベット自治区は中国南西部の辺境に位置し、インドやネパールと国境を接している。この地域は、中国が南アジアに開かれた大動脈であり、「一帯一路(Belt and Road)」構想の重要な拠点でもある。チベット自治区は、古代シルクロード南ルートの一部である「茶馬古道」の一部として、中国と南アジア諸国との交流における重要な玄関口だった。今日では「一帯一路」構想の中で重要な役割を果たしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News