イスラエルがガザで「民族浄化」 国境なき医師団
このニュースをシェア
【12月20日 AFP】国境なき医師団(MSF)は19日、パレスチナ自治区ガザ地区での1年2か月にわたる紛争を記録した報告書「ガザ: 死のわなの中で生きる」を発表し、イスラエルがガザで「民族浄化」を行っていると非難した。
報告書には、医療施設への空爆や人道支援車列への直接攻撃など、MSFスタッフに対する41件の攻撃が記録されている。
MSFは17回にわたり病院や医療センターからの避難を余儀なくされたとしている。
MSFのクリストファー・ロックイヤー事務局長は、「パレスチナ人が強制移動させられ、閉じ込められ、爆撃されており、民族浄化の明確な兆候が見られる」と述べた。
イスラエルはガザでの軍事作戦がジェノサイド(集団殺害)に相当するという非難を繰り返し否定している。
MSFの報告書によると、イスラエル軍によるガザ包囲により人道支援が激減。物資を搬送するトラックは紛争前は1日あたり500台だったのに対し、2024年10月時点では37台しか認められていない。
MSFの医療チームは1年間で2万7500回以上の診察と7500回の手術を行った。ガザでは人口の9割が避難を余儀なくされ、劣悪な環境で生活しており、MSFは人々の間で急速に病気が広がっていると指摘。
また、イスラエルが2024年5~9月、医療搬送要請のうち1.6%しか許可していないことを非難した。
ロックイヤー事務局長は「ガザでジェノサイドが行われていると結論付ける法律専門家や組織が増えているが、私たちの医療チームがこの紛争中に現地で目撃したことは彼らの記述と一致する」と述べた。(c)AFP