【12月1日 AFP】陸上中距離で二つの五輪金メダルを獲得しているノルウェーのヤコブ・インゲブリクトセン選手のコーチを務めていた父親が、息子に対する家庭内暴力で訴追された。同選手の弁護士が30日に発表した。

訴追されたのはヤート・インゲブリクトセン氏(58)。ヤコブ選手とヘンリク選手、フィリップ選手の有名なインゲブリクトセン兄弟の3人は、2023年10月にヤート氏による暴力を告発してノルウェー国内を驚かせた。

同氏はすでに今年4月、家族の一員に対する家庭内暴力で訴追されていたが、これは3選手に対するものではなく、別の子どもに関するものだった。しかしそれが今回、ヤコブ選手に対する暴力も含めたものに修正されたという。弁護士は「内容は非常に深刻で、彼が小さな少年だった頃からの10年間に及ぶ暴力に関するものだ」と話している。

兄弟は日刊紙ベルデンスガング(VG)で「私たちは非常に攻撃的で権威主義的な父親のもとで育った。彼は教育の一環として身体的暴力や脅迫を用いていた」と明かしている。ヤート氏は告発内容を否定している。

ヤート氏から3年前の東京五輪まで指導を受けていたヤコブ選手は、3兄弟の中では最も成功しており、東京大会では1500メートルで金メダルを獲得。5000メートルでは2022年と2023年の世界陸上を連覇し、今夏のパリ五輪も制した。五輪連覇を狙った1500メートルでは4位に終わった。(c)AFP