メルケル前独首相、回顧録で「後悔なし」 対ロシア政策や難民危機振り返る
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■ロシア、そしてプーチン氏との関係
またロシア語を話すメルケル氏は、ドイツ語を話すプーチン氏との長年の関わりについて自らの姿勢を擁護する一方、旧ソ連の情報機関KGB出身のプーチン氏に抱いている疑念も明かした。プーチン氏が首脳会談の際、犬嫌いのメルケル氏をからかうためか、愛犬のラブラドールを同席させたことに言及し、「常に警戒を怠らず、自分が不当に扱われることを恐れ、いつも攻撃姿勢を取っている。自分の権力をちらつかせるために、ふざけ半分に犬を使ったり、他人を待たせたりする」人物だと表現している。
一方で「さまざまな困難はあったものの」、「ロシアとの接触を断たず、貿易を通じて関係を維持したこと」は正しかったと主張。「ロシアは米国と並び、世界の2大核保有国の一つ」だという現実を忘れてはならないと強調している。
■エネルギー政策
さらに、ロシアによる2014年のクリミア半島併合後にロシア産天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」を承認したことについては、当時、ドイツや多くの欧州連合(EU)加盟国の企業や消費者に、ロシア以外から高価な天然ガスを輸入する代替案を受け入れさせるのは「難しかっただろう」と主張。
2011年に日本で起きた東京電力福島第1原発の事故を受け、ドイツは再生可能エネルギーへの転換と原発の段階的廃止を行っていたため、天然ガスは移行エネルギー源として必要だったと述べている。(c)AFP