10代の娘をレイプし見知らぬ男との性行為強要、父親に禁錮20年 仏
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【11月23日 AFP】フランス南東部バール県の裁判所は22日、10代の娘を数年間にわたってレイプし、見知らぬ男たちと性行為をさせてきた父親(38)に禁錮20年の判決を言い渡した。
この事件は、現在、裁判が注目を集めているドミニク・ペリコ被告の事件に酷似している。同被告は当時の妻ジゼル・ペリコさんに対し、鎮静剤で意識を失わせ、インターネットで募った男数十人を自宅に招き入れてレイプさせていた。裁判ではドミニク・ペリコ被告を含め、51人がジゼル・ペリコさんをレイプした罪に問われている。
今回の事件の父親は、養子縁組した娘が13歳だった時から性行為を強要してきた。
エステル・ボワ検事は、父親がいかにして娘を完全に支配していたかを説明した。
父親は、ネット広告で募った他の男たち(多くは娘よりはるかに年上)に娘を引き合わせ、娘は性行為の承諾年齢に達した成人で、こうした行為は自分たちの性的空想をかなえるためのものだと説明していた。
だが、有罪判決を受け、検察の求刑通り、最高刑の禁錮20年を言い渡された。
この父親もドミニク・ペリコ被告と同じく、目隠しをした娘と男たちの性行為を指図し、自らも参加して撮影も行っていた。
父親は起訴事実を認める一方、法廷では、娘とは愛情ある関係を築いており、性的接触を持ち掛けてきたのは娘の方だと主張した。
これに対してボワ検事は、「これは愛ではなく、権力と支配だ。被告が愛しているのは娘ではなく、娘を完全に支配し、自分のものとして扱い、服従させることだ」と指摘。
さらに、娘への虐待に加わった中で唯一身元を特定できたもう1人の被告に対し、禁錮16年を求刑した。同被告は60代で、6人の子どもがいる。
身元が特定されたのは、ドミニク・ペリコ被告と同じく、父親が虐待の様子を写真や動画に残していたためで、今回は位置情報データが決め手となった。
同被告は法廷で、父娘とは4回会い、このうち3回は、娘も同意しているとの父親の主張にだまされたと訴えた。
4回目については、「責任ある人間として振る舞わず、自分の快楽に従い、(性的虐待に)目をつぶってしまった」と、弁護人を通じて主張した。
現在18歳となっている娘は、虐待被害者に接するセラピー犬としての訓練を受けたゴールデンレトリバーに付き添われて出廷した。
ジゼル・ペリコさんと同様、公開裁判を選択している。
父親による暴力と辱めがエスカレートしたのを受け、自力で虐待に終止符を打ったのは、15歳だった時の2021年。キャバレールシュルメールの自宅から逃げ出した後、南仏のリゾート、サントロペで行楽客の協力により警察に保護された。
逃走中も父親からの電話やメールが鳴りやまなかったとされる。(c)AFP