【11月12日 AFP】サーファーに対するホホジロザメの攻撃を防ぐために、サーフボードを明るいライトで覆うと効果がある可能性があるとする研究結果が12日、米科学誌カレント・バイオロジーに発表された。

豪マッコーリー大学の生物学者ローラ・ライアン氏によると、ホホジロザメはしばしばサーファーのシルエットを獲物のアザラシと間違え、水面下から襲撃する。

だが、同氏の研究チームがアザラシの形をしたサーフボードを使い、ボードに水平にライトを取り付けたところ、ホホジロザメの襲撃を受けにくいことが分かった。これは照明によって海面に映るシルエットがゆがみ、アザラシに見えなくなるためだと考えられる。

実験は、ホホジロザメの餌場として知られる南アフリカのモッセル湾で行われた。研究チームは、LEDライトをさまざまな並べ方で取り付けたアザラシ型のボードを複数用意し、船で引いてサメの反応を調べた。

その結果、ライトが明るいほど、サメを効果的に阻止することができた。またライトを垂直に取り付けた場合よりも、水平に取り付けた方が効果が高かった。

ライアン氏は予想を上回る結果だとし、現在、カヤックやサーフボードの底に取り付けるライトの試作品に取り組んでいると述べた。

オーストラリアでは監視ドローンや防護ネット、サメへの追跡タグの取り付けなど、あらゆる対策がとられているが、ライアン氏は今回の研究により、サメへの侵襲性をより抑えた防御方法が期待できると述べた。

また捕食行動の異なるオオメジロザメやイタチザメについては、さらなる研究が必要だと述べた。

公式データによると1791年以降、オーストラリアでは1200件以上のサメの襲撃事件が発生しており、そのうち255件で死者が出ている。うち94人はホホジロザメに襲われて死亡している。(c)AFP