【11月2日 AFP】仏パリの裁判所は10月31日夜、フィリピンで5~10歳の女児をレイプさせてライブ配信させ、指示も出していたとして、世界中で愛されている米ピクサー(Pixar)やディズニー(Disney)のアニメ映画にも携わったグラフィックアーティストのブーレム・ブシバ(Bouhalem Bouchiba)被告(59)に禁錮25年を言い渡した。

 ブシバ被告は、女児数百人のレイプ、人身売買の罪の共犯、および児童ポルノをオンラインで閲覧した罪で有罪判決を受けた。

 4日間の公判では起訴事実を認め、「自分のしたことはすべて分かっている。被害者に許しを乞う」と述べた。

 ブシバ被告はピクサーとディズニーのアニメスタジオに勤務。映画『Mr.インクレディブル(The Incredibles)』(2004年)や『レミーのおいしいレストラン(Ratatouille)』(2007年)などの人気作品に携わった。

 検事はブシバ被告について、グラフィックアーティストとして子どもたちを喜ばせる一方、「自らおぞましい動画を演出するペドフィリア(小児性愛者)でもあった」と非難した。

 ブシバ被告は2012~21年、フィリピンで現地の女らに金銭を支払い、カメラの前で5~10歳の女児に対してレイプ・性的暴行させた。その様子をライブ配信させ、指示を出した。

 証言の際、「拷問」に近い暴行だったことを認めている。

 ブシバ被告は配信1回当たり50~100ユーロ(約8300~1万6600円)、累計5万ユーロ(約830万円)余りを支払っていた。

 警察が捜査を開始したのは、欧州警察機関(ユーロポール、Europol)からフィリピンへの不審な送金について連絡を受けたことがきっかけだった。

 当時米国に居住していたブシバ被告は2021年10月4日、サンフランシスコの空港で逮捕され、フランスに送還された。

 前科があり、2009年には義理の娘を性的虐待したとして有罪判決を受けている。(c)AFP/Anne ROLANDIN