【10月31日 AFP】北朝鮮は31日、核抑止力の強化を目的に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を実施したと発表した。

 米大統領選を数日後に控える中、韓国は前日、北朝鮮がICBMの発射実験もしくは新たな核実験の準備を進めているとの見方を示していた。

 韓国国防省は「初期分析では(北朝鮮が)新しい固体燃料式の長距離弾道ミサイルを試射した可能性がある」とし、ミサイルはロフテッド軌道で発射され、約1000キロ飛行したと説明した。

 固体燃料ミサイルは、短時間で発射が可能なため事前の探知・破壊が難しく、北朝鮮は長年にわたって開発を続けてきた。

 国連安保理決議に違反する今回の発射について国営朝鮮中央通信(KCNA)は、「敵国に対応の意志を伝えるための適切な軍事行動」だとする、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党総書記の言葉を伝えた。

 金氏はまた、「戦略ミサイルの能力の記録を更新した」とし、「核戦力を強化する方針を変えることはない」と表明した。

 日本の防衛省は「ICBM級」のミサイルが発射されたとし、これまでの実験よりも飛行距離は長く、約1時間26分飛行したとした。高度については、7000キロに達したとの見解を示した。

 発射実験について、米国家安全保障会議(NSC)のショーン・サベット(Sean Savett)報道官は「複数の安保理決議の明白な違反」だと非難した。(c)AFP