■「計り知れない裏切り」

 ジゼルさんはその後、目を背けて被告席に座っている元夫ドミニク被告に対し、約10年にわたって自分に薬を盛り、性的に暴行したり、他人を募って暴行させたりした理由を尋ねた。

「私にとって最高の男性だった夫がどうしてこんなふうになってしまったのか。私の人生がなぜ変わってしまったのか。私が性的パートナーを交換するようなライフスタイルを嫌っているのを知りながら、どうしてこんな人たちをわが家に入れることができたのか。私には分からない」と述べ、「私にとって、これは計り知れない裏切りだ。50年連れ添い、私は最後までこの男と添い遂げるつもりだったのに」と嘆いた。

 ジゼルさんは目をそらしたドミニク被告をじっと見つめながら、「私は常にあなたを向上させようとしてきたが、あなたは人間としてどん底に落ちた。残念だが、自ら選んだ結果だ」

 ジゼルさんの言葉にドミニク被告は、目を伏せる以外の何の反応も示さず、ただ座ったままだった。(c)AFP