ショーン・コムズ被告から性的被害、新たに120人が訴え 代理人
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【10月2日 AFP】「ディディ(Diddy)」や「パフ・ダディ(Puff Daddy)」の名で知られる米ラッパーでプロデューサーのショーン・コムズ(Sean Combs)被告(54)に対し、性的暴行や性的搾取の被害者120人が訴訟を起こす構えだ。被害者らの代理人が1日、明らかにした。未成年者25人が含まれるという。
代理人のトニー・バズビー(Tony Buzbee)氏は1日、テキサス州ヒューストン(Houston)で会見し、「エンターテインメント業界最大の秘密、実際には公然の秘密が、ついに世界に明らかにされた」「沈黙の壁は今や破られ、被害者たちが名乗り出ている」と述べた。
コムズ被告は先月、複数の女性を性的に虐待したり、脅迫や暴力によって薬物を使用したセックスパーティーに強制的に参加させたりしたとして、3件の罪で起訴されていた。
バズビー氏は、コムズ被告を告発した被害者はこれまでに3000人以上に上ると述べ、他の被害者にも名乗り出るよう呼び掛けた。
またコムズ被告とその取り巻きが行ったとされる多くの虐待にはパターンがあり、「薬物が投与されたケースはおよそ90%」と指摘した。
当時22歳だったというある女性は「飲み物を渡された。今なら何かが混ぜられていると疑うだろうが、断るとパーティーから追い出されてしまうと思った」と語ったという。
バズビー氏はさらに、未成年者に対する虐待は多くの場合、音楽業界での名声や富を約束されるのと引き換えに行われていた可能性が高いと述べた。
当時9歳だったある少年は、コムズ被告のレーベル「バッド・ボーイ・レコード(Bad Boy Records)」のオーディションを受けるためとしてニューヨークへ連れて行かれ、両親・本人にレコード契約が約束されたが、スタジオでコムズ被告を含む数人から性的虐待を受けたという。
また別の事件では「当時15歳の少女がやはりニューヨークでのパーティーに参加し、そこで薬物を盛られた。個室に連れ込まれて数人から性的暴行を受けた。コムズ被告もそこにいたとされる」と説明した。
バズビー氏は「有名人が関与する場合、(被害者に対する)世論は非常に辛辣(しんらつ)になりがち」だが、「この過程を通じて、多くの権力者の汚い秘密が明らかになることを期待する」と述べ、報復や反発を恐れながらも名乗り出た人々の勇気を称賛した。(c)AFP