【10月1日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)の編集部は9月30日、カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領は「大統領選における唯一の愛国的な選択肢」だとして、支持を表明した。

 ただ、支持表明の記事でハリス氏の名前が登場するのは4段落目になってから。全体的には共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は道徳的、気質的に「不適格」だと主張するなど、トランプ氏がいかに不適任かに焦点を合わせている。

「ドナルド・トランプは大統領にふさわしくないという明白かつ残念な真実は、米国の健全性と民主主義の安定を大切に思う有権者にとって、氏の再選を否定するのに十分だろう」と指摘。

 これは「トランプ以外なら誰でも」という姿勢とも言え、前日には米誌ニューヨーカー(The New Yorker)も同様の立場を表明していた。

 NYタイムズはハリス氏について、「問題解決に失敗した現政府に対して不満や怒りを抱く有権者にとっては特に、完璧な候補ではないかもしれない」と認めた上で、「それでもわれわれは米国民にハリス氏の実績を彼女の対立候補と比較するよう促す」としている。

 同紙は1956年にドワイト・アイゼンハワー(Dwight Eisenhower)を支持して以降、共和党候補を支持したことはない。

 しかし同紙は、今回の選挙は二大政党制の下での「相対する政治・原則」だけにとどまらない、「より根本的なもの」を決める機会だと強調。「米国の有権者が(トランプ氏に)立ち向かわなければ、トランプ氏はわが国の民主主義に深刻かつ永続的な害を及ぼす権力を握ることになる」と警告した。(c)AFP