火をつけられたウガンダ五輪選手 体の80%やけどで命の危険
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【9月5日 AFP】男に火をつけられる被害に遭った陸上女子長距離のレベッカ・チェプテゲイ(Rebecca Cheptegei、ウガンダ)選手が、現在もまだ命の危険にさらされていると、入院先の病院が4日に発表した。
パリ五輪のマラソン女子に出場したチェプテゲイ選手は1日に襲撃を受けた後、ケニア・エルドレット(Eldoret)市の病院で治療を受けている。
病院の責任者は記者団に対し、チェプテゲイ選手は体の80パーセントにやけどを負ったと明かし、命を救うためにあらゆる手段を講じていると話した。
警察によると、チェプテゲイ選手はケニア西部トランスンゾイア(Trans-Nzoia)の自宅に侵入してきたケニア人のディクソン・ヌディエマ・マランガッチ(Dickson Ndiema Marangach)と名乗る男にガソリンをかけられ、火をつけられたという。
一方、報道機関の取材に応じる権限がないため匿名を条件にAFPの取材に応じた病院の医療カウンセラーは、チェプテゲイ選手の状態が悪化しているとし、「腹部と下半身の重傷により、細菌感染で敗血症」になっているという。
ケニアのメディアによると、チェプテゲイ選手の娘の一人が母親が襲われるのを目撃したという。国内日刊紙スタンダードは、チェプテゲイ選手には11歳と9歳の娘がいると伝えている。
同紙は娘が「私が母を助けようと走っていると、男に蹴られた」「すぐに助けを求めて叫び、近所の人が水で火を消そうとしたけど、できなかった」と話したと報じている。
男も負傷しており、体の30パーセントにやけどを負った。
警察は当初男をチェプテゲイ選手のパートナーと表現していたが、チェプテゲイ選手の父親は地元メディアに対し、娘はケニアにはいないウガンダ人男性と結婚したと述べている。父親は3日、地元テレビ局に対し「心が引き裂かれている。こんな残酷なことは見たことがない」と述べ、「私が叫んでいるのは正義だけだ」と続けた。
チェプテゲイ選手はパリ五輪のマラソン女子で44位だった。(c)AFP