【9月4日 AFP】中国国家安全省は4日、機密情報にアクセスできる学生に対し、容姿端麗な男女に誘惑されて外国のためにスパイ活動を行うことのないよう注意喚起を行った。

 国家安全省は昨年、通信アプリ・微信(ウィーチャット、WeChat)のアカウントを開設して以来、外国のスパイは「いくらでも変装し、性別さえ変えることができる」と警告し、国家的脅威に対して「14億人の防衛線を築く」よう市民に呼び掛けている。

 加えて4日には、外国の情報機関が「ロマンスのわな」を仕掛け、中国人学生を誘惑していると非難した。

 同省によると、外国のスパイは求人広告やオンラインデートを利用し、特に「機密扱いの科学研究データ」にアクセスできる若い学生を「誘惑し、強制的に」情報を提供させていると主張。情報要員は「『美男』や『美女』として、若い学生を『ロマンスのわな』に引きずり込むことさえある」と警告した。

 また大学に所属する学者、科学研究者、コンサルタントなどを装い、経済力の乏しい学生を誘惑する「標的型の攻撃」の可能性もあると同省は主張している。ただし、具体的な国名は挙げていない。

 中国と西側諸国は長年にわたって互いに、スパイ活動をめぐる非難の応酬を繰り返してきたが、最近になってスパイ活動が疑われる個別案件の詳細を公にするようになっている。(c)AFP