【8月12日 AFP】ロシアは11日、ウクライナ軍がロシア西部クルスク(Kursk)州に侵入したと公式に認めた。この越境攻撃についてウクライナ政府高官は、ロシアの「不安定化」が狙いだと述べた。

 ウクライナ安全保障当局の高官は匿名を条件にAFPの取材に応じ、奇襲作戦に数千人を動員したと明らかにした上で、「狙いは敵の戦域を広げ、国境防衛にまで手が回らない状態で最大限の損害を与え、ロシア内の情勢を不安定化させることにある」と語った。

 ロシア軍は11日、ウクライナ軍が国境線から最大30キロの地点まで侵入してきたのを認めたもよう。国防省当局者も定例記者会見で、国境から約25~30キロの地点にあるクルスク州の集落2か所の近郊までウクライナ軍部隊の一部が進軍してきたと明らかにした。

 一方、ウクライナ南部のザポリージャ(Zaporizhzhia)原発では11日夜、火災が発生した。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はこれについて、ロシアが冷却塔に火を付けたと述べた。一方のロシアは、ウクライナ側の攻撃が原因だと主張している。同原発は、侵攻開始直後からロシア軍に占拠されている。

 ロシア側はその後、「鎮火」したと発表した。

 両国および国際原子力機関(IAEA)は、放射性物質が漏れた兆候はないとしている。(c)AFP