【8月3日 AFP】パリ五輪のボクシング女子66キロ級で、性別をめぐる問題の渦中にあるイマン・ヘリフ(Imane Khelif、アルジェリア)と対戦するアンナルツァ・ハモリ(Anna Luca Hamori、ハンガリー)は2日、ヘリフの出場は不公平だとの語った。

 ヘリフは昨年行われた性別検査で失格となったが、パリ五輪では女子種目に参加している。1日に行われた2回戦ではイタリアのアンジェラ・カリニ(Angela Carini)に開始わずか46秒で勝利し、3日の準々決勝でハモリと対戦することになっている

 23歳のハモリは、自身のフェイスブックに「この競技者(ヘリフ)が女子カテゴリーに出場できるのは正当とは思えない」と投稿した。その一方で、「今そのことを気にしてはいられない。自分には変えられないことだし、それが人生」ともつづった。

 ヘリフと台湾の林郁婷(Lin Yu-ting)は、昨年インドで行われた国際ボクシング協会(IBA)主催の女子世界選手権(2023 IBA Women's World Boxing Championships)で出場資格基準を満たさなかったとして失格処分になったが、パリ五輪のボクシング競技を運営する国際オリンピック委員会(IOC)は、両選手の出場を認めている。

 両選手はどちらもトランスジェンダーではないとされており、2021年の東京五輪でも女子種目に出場している。

 ハンガリーオリンピック委員会(HOC)は、ヘリフの出場についてIOCに接触したことを明かし、「女性の機会均等のための基本的な条件として、女性の生物学的特徴を持つ競技者のみが、女子のフィールドで競技することを許されるべきだ」「五輪の規則がこれを完全に保証していないのであれば、規則の見直しを行い、必要であれば修正されるべきだ」と主張している。

 IOCのマーク・アダムス(Mark Adams)広報部長は、五輪の出場資格は選手のパスポートに記載された性別に基づくとしつつ、「白か黒かの問題ではない」と話している。(c)AFP