【8月2日 AFP】パリ五輪のボクシング女子で、イタリア選手に短時間で勝利したアルジェリアのイマネ・ケリフ(Imane Khelif)選手が、過去の大会のテストステロン値の検査で基準を大きく上回り失格となっていたことが取り上げられると、大きな論争が起きた。

 対戦相手の祖国、イタリアのジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)首相は即座に、ケリフ選手の出場が許されたことを非難した。

 大会6日目に論争が影を落とす中、テストステロンに関するいくつかの事実を紹介する。

■テストステロンとは?

 テストステロンは男女共に分泌される性ホルモンだが、男性の分泌量は女性の最大20倍に達する。

 男性では主に精巣から分泌され、女性は卵巣と副腎から微量が分泌される。

 米マウントサイナイ(Mount Sinai)病院によると、男性の正常なテストステロン値は血液1リットル当たり10~35ナノモル、女性は0.5~2.4ナノモルとされる。

 テストステロン値はさらに、年齢や季節によっても大きく変化する。

 テストステロンなどの性ホルモンが自然に過剰に分泌される場合、これはアンドロゲン過剰症と呼ばれる。

 研究から、女性の約5%がこの疾患を抱えており、原因の約70%が多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)であることが分かっている。

 ニキビや抜け毛の他、体毛が濃くなるなどの症状がある。