【7月29日 AFP】イスラエルのヨアブ・ガラント(Yoav Gallant)国防相は28日、同国が占領するゴラン高原(Golan Heights)のマジャルシャムス(Majdal Shams)で若者12人が死亡したロケット弾攻撃を受けて、「敵に大きな打撃を与える」と誓った。

 イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)はイスラエル軍の拠点を頻繁に攻撃しており、イスラエルは今回使われたロケット弾「ファラク1(Falaq 1)」もヒズボラが発射したものだと主張している。

 ヒズボラは関与を否定する一方、同種のロケット弾1発を27日にゴラン高原のイスラエル軍拠点に向けて発射したとしている。

 この拠点とマジャルシャムスは2.4キロしか離れておらず、精度が低いロケット弾の場合、「誤差の範囲内」にあると指摘する専門家もいる。

 イランはイスラエルに対し、レバノンで新たな「冒険」に出るなら「予見し得ない結果」を招くことになると警告した。

 一方、イスラエル軍は28日、「レバノン深奥部と南部」のヒズボラの標的を攻撃したと発表した。

 レバノンの治安筋はAFPに、イスラエル軍のドローンが東部の村タライヤ(Taraiyya)に向けてミサイル2発を発射し、格納庫と民家各1棟が破壊されたと話した。死者は出なかった。

 マジャルシャムスでは27日、ロケット弾がサッカー場に着弾し、現地当局によると10歳から16歳の若者が死亡した。イスラエル警察によると、11歳の少年の行方が今も確認できていない。

 イスラエルは1967年にシリア領のゴラン高原を占領。マジャルシャムスには主にアラビア語話者のドルーズ派が住んでおり、多くはイスラエル国籍を受け入れていない。

 AFPの集計によると、昨年10月以降のイスラエル・レバノン国境越しの攻撃では、レバノン側で少なくとも527人が死亡している。このうち多くはヒズボラなどの戦闘員だが、少なくとも104人は民間人だった。

 イスラエル軍によると、同国側では北部で兵士22人と民間人24人が死亡している。(c)AFP