【7月29日 AFP】パリ五輪は28日、体操女子予選が行われ、五輪復帰を果たした米国のシモーネ・バイルス(Simone Biles)は左ふくらはぎの痛みを乗り越えて、複数メダル獲得に向けて絶好のスタートを切った。

 2016年リオデジャネイロ五輪で四つの金メダルを獲得したものの、東京五輪では空中で平衡感覚を失うメンタルブロック状態「ツイスティーズ」に悩まされ大半の種目を棄権したバイルスは、この日2種目めとなったゆかのウオームアップ中に左ふくらはぎを痛めていた。

 それでも跳馬の演技では自身の名前が付いた「バイルス2(屈身ユルチェンコ宙返り)」で華麗な跳躍を見せ、着地の乱れがありながらも実施点で9.400点を記録し、15.800点という驚異的な得点を出した。

 コーチのセシル・ランディ(Cecile Landi)氏は、バイルスは数週間前からあった軽いけがが悪化したものの競技を続けることに疑問の余地はなかったと話し、30日の団体決勝とその後に行われる個人種目に向けて準備は整っていると続けた。

 予選5グループ中2グループの演技が終了した時点で、バイルスは合計59.566点と総合トップに立っている。

 ランディ氏は「59.5点というスコアはかなりすごい。完璧ではないから、まだ伸びる可能性がある」と述べている。

 米国は、合計172.296点で団体決勝進出を決めている。(c)AFP/Rebecca BRYAN