【7月24日 AFP】国際プロサッカー選手会(FIFPro)の欧州支部と、欧州の各国リーグを統括するヨーロピアン・リーグス(European Leagues)が23日、国際サッカー連盟(FIFA)が立場を乱用しているとして、欧州連合(EU)欧州委員会(European Commission)に苦情を提出した。

 両団体は代表戦のカレンダーに関するFIFAの振る舞いが「各国リーグの経済的利益と選手の健康を損ねている」と指摘し、FIFAが規制機関でありながら同時に大会主催者でもあることは利益相反に当たると主張。クラブW杯(FIFA Club World Cup)の32チームへの拡大などの日程変更を相談なしに行ったと批判し、「一方的な決断」を下すFIFAは「EU競争法(独占禁止法)に違反し、特に支配的地位の乱用を行っている」と訴えた。

 両団体は「代表戦の日程は今や飽和状態をも超え、各国リーグは持続不能になり、選手の健康が脅かされている」とし、「サッカーと競技のエコシステム、労働力をFIFAの一方的な判断から守るには、法的措置を取ることが唯一の責任ある措置である」と話した。

 これに対してFIFAはX(旧ツイッター)で、「現在のカレンダーは、欧州を含む全大陸の代表で構成されたFIFA評議会によって、FIFProや各リーグ団体を含む包括的かつ総合的な協議を経て、全会一致で承認された」「欧州の一部のリーグは、自分たちの商業的利益や偽善に基づいて行動し、他の世界の人々への配慮に欠けている」と反論している。

 FIFAが前週に発表した調査報告書によれば、2012年から2024年にかけての「各クラブのシーズンごとの平均試合数は、40試合強で安定しており、(公式戦)60試合以上を行っているクラブはわずか5パーセント」だという。(c)AFP