安楽死カプセル、年内にも初の実用へ スイス
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■利用可能年齢や料金
会見に同席したザ・ラスト・リゾートのフローリアン・ウィレット(Florian Willet)最高経営責任者(CEO)は、「サルコの利用を求めて順番待ち」が起きていると明らかにした。
年内に初の利用者が出る見通しについて、同社の諮問委員会のメンバーで、弁護士のフィオナ・スチュワート(Fiona Stewart)氏は「そうなると思う」と答えた。
日時や場所、利用者などは決まっていない。詳細は、実際に利用されるまで公表されることはないとみられる。
スチュワート氏は、「スイスで穏やかな死を希望している利用者をめぐって報道合戦が起きることは望んでいない」と言う。
また、利用可能年齢は50歳以上とされているが、18歳以上で重病を患っている場合、「年齢による線引きで苦しんでいる人を拒みたくない」とも話した。
カプセルは再利用可能で、現行版の身長制限は1.73メートル。サルコを所有するエグジット・インターナショナルは寄付金で運営されており、スチュワート氏によれば、利用料は、窒素代の18スイス・フラン(約3100円)のみになる見通しだという。
■2人用も開発中
サルコが使用される可能性をめぐり、スイスでは法的・倫理的にさまざまな問題が提起され、自殺ほう助に関する論争が再燃した。
「私たちは、自殺ほう助を医療の対象から切り離すことを目指している。サルコを使用すれば、医師が立ち会う必要はない」とスチュワート氏は主張した。
3Dプリンターで製作されたカプセルはオランダで研究開発された。開発期間は12年間で、65万ユーロ(約1億500万円)以上の費用が投じられた。
スチュワート氏によれば、この1年間、ロッテルダム(Rotterdam)のワークショップで機器を使って試験運用が行われてきたが、人間や動物には使われていない。
開発チームは現在、カップルで一緒に命を終えられるよう2人用のサルコの製作を目指している。
ザ・ラスト・リゾートによれば、死刑での利用を認める考えはないという。(c)AFP/Nathalie OLOF-ORS