フィリピンの川守る「清掃隊」 プラごみとの終わりなき戦い
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■使い捨てプラスチックに「特定の役割」
フィリピンでは近年、リサイクルセンター設置の他、プラスチック廃棄物に対して企業に責任を持つよう促すなど、さまざまな取り組みが行われてきた。
世界銀行の環境問題の専門家ジュニュ・シュレスタ氏は、問題に対処するための法整備でフィリピンは賞賛に値する努力をしたとAFPに話す。
そうした法整備は、問題解決へのロードマップとなったが、実行に移せるかどうかは「また別の問題」だと指摘した。
世界銀行が2022年に公開した調査報告書によると、人口1400万人のマニラで日々排出されるごみの内、回収、分別、リサイクルされるのは約60%にとどまっているという。
マリア・アントニア・ユーロロイザガ環境天然資源相はAFPに、同国ではごみの分別とリサイクルは「始まったばかり」で、使い捨てプラスチックの廃止は当面ないと話す。
使い捨てプラスチックは「現時点でのこの国の経済の中では、ある所得層にとって特定の役割を果たしている」と説明した。
清掃員のナルバスさんは、毎日汚い川に入るのは気持ちの良いものではないが、自分の仕事が水害発生の予防に貢献していると信じている。
それでも、地域住民の川へのごみ投棄がなくなることを切に願っているし、「気が滅入る」と言う。
「しかし、これがわれわれの仕事。もう慣れた。やり続けるしかない」 (c)AFP/Cecil MORELLA