ソウル市庁前のドライミスト(c)news1
ソウル市庁前のドライミスト(c)news1

【06月20日 KOREA WAVE】お年寄りの女性3人がソファーに座って話に花を咲かせていた。家族、おかず、衣服など話題は豊富だ。そして近所の人の陰口も。これは喫茶店でも、高齢者のサランバン(交流スペース)でもなく、ソウル市鍾路区(チョンノグ)にある銀行の支店の様子だ。

ソウルで日中の気温が今年最高の33度を記録した13日午後、銀行の支店は憩いの場になってた。市民は銀行に用がなくても涼しいエアコンの風で体を冷やした。銀行は昔から無料で過ごせる都心の「避暑地」だった。都市銀行は社会貢献の一環としてミネラルウォーターをサービスしてもいる。

そんな避暑地が減っている。都市銀行が経営合理化のため店舗(支店+出張所)の削減を進めているからだ。金融監督院の調べでは、2018年に6771店舗だった全国の銀行店舗は昨年末5754店舗に減った。5年間で約15%の店舗が消えたのだ。

ソウル市東大門区(トンデムング)の市場で露店を営むユン・スンエさん(78)は昨年、店の前にあった銀行の廃業が残念だと話した。暑い日には銀行でしばらく休んでいたという。モバイルバンキングをやったことがないユンさんにとって銀行がなくなったことは避暑以外でも不便をもたらした。公金の納付も遠くの銀行へ行かねばならない。

金融当局は、非対面取引が難しい人たちへの影響を小さくするため、2021年から店舗閉鎖前の事前影響評価を採り入れたが、店舗数の下落傾向は止まらない。今年第1四半期だけでも国内4大銀行の店舗数は13減少した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News