【6月13日 AFP】イタリアで行われる主要7か国(G7)首脳会議(サミット)の警備に当たる警官の宿舎として使用していた老朽船に「各方面から苦情」が殺到した。

 サミットは13日から3日間、イタリア南部プーリア(Puglia)州の州都バーリ(Bari)とブリンディジ(Brindisi)の間にある、アドリア海(Adriatic Sea)沿いの5つ星リゾート施設「ボルゴ・エグナツィア(Borgo Egnazia)」で開催される。

 だが、イタリア全土から動員された警官や兵士は、各国首脳とは著しく対照的な施設に宿泊することになった。

 イタリアの警察組合COISPのドメニコ・ピアネーゼ(Domenico Pianese)書記長によると、警官たちの宿舎とされた元クルーズ船「ミコノス・マジック(Mykonos Magic)」には、「G7警備のためにプーリアに集まった警察官2500人以上が宿泊していた」が、「衛生状態がひどく、汚く破損箇所があった。トイレは使えず、シャワーは老朽化し、船室は浸水していた」。

 別の労働組合SILFも10日、船内に警官が「ネズミのようにすし詰めにされている」と訴えた。公安当局は翌11日、「衛生状態」を理由に警官をホテルに移動させていると認めた。

 日刊紙レプブリカによると、30度を超える暑さにもかかわらず船内のエアコンが故障していたため、警官たちは部屋のドアを開けたまま寝なければならなかった。また船室の天井からは水が滴り落ちていた。

 さらに同紙は、警官たちは冷たい食事を出され、配膳の際には長い列ができるほど待たされたと伝えた。

 同船はかつてイタリアのクルーズ船運航会社コスタクルーズ(Costa Cruises)が所有していたが、現在はギリシャのフェリー会社シージェッツ(Seajets)が所有している。(c)AFP